CopyRight 1999.12.25
建築工房 N 設計
建売住宅の調査
  99年夏、まだ新しい中古住宅を購入したいが、大丈夫かどうか見てほしいとの問い合わせがYさんからありました。千葉市内の昔は海だった埋立地、37坪の細長い敷地に30坪ほどの2階建で、県内では大手の建売住宅業者が建築した住宅です。
 さっそく調査を開始。中古といっても建ててから1年ほどで、今では常識になりつつある、床下の防湿コンクリート打ちや土台パッキンの取付など耐久を考えた作りになっています。家の傾きを調べても施工精度の範囲以内で問題ありません。
 ただ、基礎を調べてみると細長い建物の両側の同じ箇所に細いひび割れがありました。布基礎で鉄筋が入っているとのことでしたが、同じ箇所にひび割れがあるということは、埋立ててから20年ほど経ってるとは言え不同沈下を起こしている可能性があります。床下には木屑が多く残っていました。大手とは言え、現場管理の不行き届きを感じます。
  小屋裏に上がってみると必要な金物が使われていますが、木痩せによるボルトの緩みがあり長い目で見ると問題です。また、断熱材の入れ方が雑で、入っていないところもありました。
  また、部屋割りだけを考えた間取りで1、2階の筋交いのずれなどがあり、量的には足りていますがバランス上良くありません。
 
 以上のことを、報告書を添えてYさんに説明。環境や利便性が気に入っているとのことで、 指摘事項を手直しをさせて購入するとのことでした。ひび割れについては、広がるようであれば連絡をもらうようにお伝えしましたが、今のところ連絡はありません。