CopyRight 1999.12.25
建築工房 N 設計
 

長持ちする住まいづくり
−基礎をつくるにはそれを支える地盤を知ること−
・新法「品質確保促進法(以下品確法)」と「建築基準法施行令(以下施行令)」の改正

・ 品確法の一つの柱である「主要構造部などの瑕疵担保が10年」になりました。設計事務所良く使っていた契約書では2年、工事業者では1年のものが多かったようです。「主要構造部など」とは力を支える基礎や柱、梁、床などで、 壁や屋根からの雨漏りも含まれています。ただし、2000年の4月1日以降に契約された新築に限定されます。

  品確法では基礎を支える地盤については触れられていませんが、基礎に瑕疵がでる原因の多くは地盤に関することなので、地盤の状況をきちんと把握して基礎をつくる必要が工事者には求められます。
  6月1日にでた施行令の改正では地盤の状態によりどういう基礎にしたら良いのかが明示されました。これにより、はっきりした資料がない限り、地質調査で地盤の状態を明確にしてから基礎を選ばなければならないので、信頼性が高くなります。

 地耐力(kN/u)      基礎の構造形式
  20未満 基礎ぐい
  20以上30未満 基礎ぐい、または べた基礎
  30以上 基礎ぐい、べた基礎、または 布基礎
 
 これにより「べた基礎でなければ基礎でない」というような地盤の状態を考えずに言われてきたことが明確になり、経済的で安全な基礎をつくることができます。
 
住宅で使われる地質調査
調査の種類 概要 特徴 費用の目安
スウェーデン式
サウンディング
試験
先端がスクリュー状になったパイプに100kgの重さをかけ沈まなければ、人力により回転させながら一定の深さをねじ込むのに必要な回転数で地耐力を表わします 簡便で割安ですが、精度に難があります。それを改良した人力に依らない方法も開発されています 1敷地
3〜5ケ所で
4〜6万円
標準貫入試験 63.5kgの重りを75pの高さからパイプに落し30p埋込むのに必要な回数(N値)で地耐力を表わします 土の種類(地質)により実際の地耐力との差があります 10m程度で
15万円前後
以降1mにつき
1万円前後
平板載荷試験 工事する基礎の底の位置に重量をかけることで直接地耐力や沈下の特性が計れます 調査位置の50p下くらいまでの評価になります 1ケ所
15万円前後
表面探査法 地表面に上下震動を与え地中に発生する表面波を測定、解析することで地耐力・地質を調べます 他の振動の影響による不正確な測定が改良され、地盤保証をする測定会社あります 保証付きで
11万円前後

敷地の地盤を知ることは、丈夫で長持ちする住まいづくりの第1歩でなので、費用が掛かりますが大切なことです。