CopyRight 1999.12.25
建築工房 N 設計
 
長持ちする住まいづくり1
 長持ちする住まいは、耐震性、耐久性、耐用性の三つを考えなければなりません。

耐震性−地震や台風などの大きな力が建物に加わっても耐えられる構造が必要です。建築基準法で規定されている耐震性は100年に一度起きる地震に安全に避難できることです。倒壊はしないが被害を受ける可能性が大きいです。基準より1.2倍程度の耐震性があると大きな被害は受けない、1.5倍程度であればほとんど被害を受けないと言われています。財産を守るためには被害にあっても大きな修繕費が掛からない丈夫さが必要です。

耐久性−時間の経過と共に土台や柱が腐ってしまえば、高い耐震性も発揮することが出来ません。
また、湿気により1階の床が腐ってきたり、2階の床がふわふわ揺れ1階に音が伝わりやすければ日常生活への支障が生じます。 建てた時の状態を継続するための耐久性は重要です。

耐用性−長く暮らす内には家族が増えたり減ったりしますので、状況に対応できなければいくら丈夫な家でも壊して作り直すことになり、環境への負担が増えます。日本の住宅の耐用年数が諸外国と比べ短い二十数年と言われる大きな原因の一つになっています。
 
どうすれば以上のような住まいが作れるのか、在来木造住宅を中心にしたお話です。

長持ちする住まいづくり1
−丈夫な住まいは敷地から−
 今ある敷地に建て替える今まで住んできたなかで建物が傾いてきたり、大雨が降ると洪水が起きるなど問題がなければ良いのですが、問題があるならばそれを解決する作り方が必要になります。建物が傾くようならば、地盤の状態を専門家に依頼し調査(地質調査)する事をお勧めします。住宅だからと言って安易に考えない方が良いですよ。
調査の結果に沿った、建物を支えられる丈夫な基礎を作ります。いつも 湿気が多かったり、洪水が起きるようであれば基礎を高く作ることが必要です。隣りの庭に樹木が多いとそこはいつも湿気を帯びていますので、建物と隣地の間を空け風通し良くする事が必要かもしれません。

 新しく土地を買う新しく造成した土地であれば、もとの土地が何に使われていたのか、買う敷地が盛り土か切り土なのか調べましょう。「ここは全部切り土で安心ですよ」と言われてもひな段にしたりすれば盛り土になる場所がで出来ます。売主にはそこをどう造成したのか(切り土・盛り土の区別)の図面がある筈です。盛り土はいくらつき固めてもきちんと落着くためにはある程度の年数が掛ります。
古くからの住宅地を買うのであれば、ご近所の話を聞いたり、雨の日にも見に行くことをお勧めします。天候による問題が発見できます。
どちらにしても敷地の地盤が強い、強くなくてもそれに対応した基礎を作るために地盤を知ることは、丈夫で長持ちする住まいづくりの第1歩です。